今日も空が広い

アメリカの片田舎から思いつくままに…

「そして父になる」 を見て

週末、是枝監督の「そして父になる」をみました。

 

とてもよかった。

そして考えさせられた。

  

おそらく、知らない人はいないくらい有名な映画だと思いますが、簡単にあらすじを書くと、子供が6歳、小学校入学する直前くらいに、実は子供が生まれた病院で他の子供とすりかえられていたことがわかり、葛藤する家族を描いた映画です。

 

感想です。

 

前半は、とにかく福山雅治演じる野々宮良太パパに腹が立って仕方が無かった!!(笑)

 

とにかく心を閉ざしていて、妻にも子供にも心を寄り添う努力を全くしない、エリート街道を駆け上ることしか目に入っていない父親。 My problem  が  our problem  に展開できない、すべて自分で解決しようとする、クールで冷徹な父親。

 

。。。こういった男性、本当に苦手です。。。

 

福山雅治だったとしても、こんな男性と結婚したくない~!!!

(いや、相手のほうから払い下げですから、全く問題はないのですが。笑)

 

 

でも中盤、なぜ彼が心を閉ざした男になったのか少し垣間見れます。そうかそうか、彼も家庭環境が複雑でいろいろあったのね。明らかに父親を嫌悪しているのに、父親の「馬のサラブレッドと同じで血が一番だ」という言葉に翻弄される良太。

 

 

でも前半これだけクールで感情を表さない父親を演じているからこそ、感動する終盤。

 

 

カメラの写真を見て6年間育ててきた息子、慶太がどれだけ自分のことを愛しているかに気づく良太。そしておそらく初めて、子供が生まれてから初めて、心の底から慶太を愛おしいと思い、抱きしめたい、と思った良太。

 

一滴涙がこぼれるか、、、といったくらいの感情の発露なのですが、初めて良太が「自分はこの子のかけがえの無い父親なのだ」と思った瞬間に、私も涙どわーーー。

 

いや、本当に、子供の親に対する愛情に比べたら、親の子供に対する愛情なんてちっぽけだな、と思う。子供が小さいうちは。

 

 

 

ストーリーとしては、かなりドラマチックな展開なのですが、それを淡々と見せる是枝監督。静かに、丁寧に見守る監督の目線がとても心地いい。

 

おすすめの映画です。

 

 

(唯一、不満に思ったのは、やはり展開が強引すぎるのでは、という点です。いくらなんでも今の日本で誰の反対も無く、あんなにスムーズに交換することになるとは思えない。。。海外では、日本ってこういう国なんだな、って思われてるかも。。。。このストーリーは、良太の父親としての成長がメインテーマなので、それ以外をそぎ落とした、というのは理解できるのですが。。。アメリカ版はそこをどう切り抜けるのかな。。。。ブツブツブツ。。。。)