今日も空が広い

アメリカの片田舎から思いつくままに…

To Do or Not To Do

問題に直面して何もしないというのはやって失敗するよりも悪い


アメリカではこれが浸透しているように思います。

そのため「やる」か「やらないか」という決断に対して、傾向としてアメリカでは「やる」に傾くことが多い。また、やるかやらないかの議論にあまり時間をかけない。細かい論点は追求しない。とにかく決断を早くして、その次のステップ、どうやって遂行するかに時間をかける、そんな気がします。


ただこれはアメリカ人の国民性が関係しているように思います。

移民の多い国なので、苦しいけど行動をしない、という人はそもそもアメリカに渡らないわけで、基本的に「その先に何が待ってるか分からないけど、とりあえず行ってみよう」という国民によって成り立っている。確かに今は何世代も昔に移民し定住している人が大半で、以前言った様に地元しか知らないローカルな人も多いわけですが、それでも行動の節々に先祖から受け継がれたリスクテーカーの遺伝子を今も持ち続けているなあ、と感じます。

早めに「やる」と決めるところの良いところのひとつは、「やっぱやめた」も早いということです。やってみると予期せぬ波及効果がいろいろあるわけで、やってみたけどマイナス部分が多いということが分かる場合もある。だったらやめる、そしてこれも早く決断する。
(もちろん、そこはアメリカ人、言い訳が上手なので、失敗でしたということなく、ポジティブな建前で仕切り直すのですが。)


逆に腰が重く、「やる」ということにすごく時間をかけ、各派閥・部門・団体を説得し、調整することに非常に時間をけると、やってみた結果、予想していた効果が出せなくともなかなか「やっぱやめ」ができない。これは思っている以上に弊害があるのでは、と、東大の秋入学の検討会について思ってしまいました。最初にこのことを聞いた時は、面白い、やってみれば、と思ったのですが、様々な意見やその調整の大変さを見ると、うーんこんなに調整してまでやってそれだけの効果があるのかなあ、と正直思ってしまいました。 だったら4月入学に加えて9月入学もやり(ってそういう学校他にもたくさんありますが)効果をみながらじわじわ9月に一本化するみたいなほうがよいのでは、、、とか。

心配なのは、秋入学の検討に時間がかかり、より大切な検討事項、例えば授業内容の改善、他大学との連携、就職支援、オンライン授業、留学生の勧誘などの検討が遅れ、さらに他国の大学との差がついてしまうのでは、ということです。そもそも留学生を増やすということが第一義的な目的であれば、留学生7−8割は卒業後日本の大企業に就職できる、みたいな実績があれば、一気に志願率はあがる気がします。


ただアメリカのように十分に議論しないで見切り発車ですすめるとイラク侵攻のような大きな大きな間違いを犯すこともあるので、一概にいいとはいえないですが。。。