今日も空が広い

アメリカの片田舎から思いつくままに…

就職活動ーアメリカの場合

最近よく就職活動に関するニュースを読みますが、アメリカでも若者の就職難について問題になっています。
18歳から24歳の就職率を調べると2007年度と比べても62%から54%まで下がっているようです。

Employment Rate for Young Adults Lowest in 60 Years
http://www.huffingtonpost.com/2012/02/09/employment-rate-young-adults_n_1264241.html

Many with New College Degree Find the Job Market Humbling
http://www.nytimes.com/2011/05/19/business/economy/19grads.html

失業者が増え、今まで新入社員が行っていた業務が経験者によってまかなわれる。
また、エントリーレベルの仕事が安い海外の労働力でまかなわれる。

ある学生のコメント:「学校のレベルが低い学生でもコネや卒業年度によっては自分よりよい仕事についている。運としかいいようがない。」
調査によると2006−2008年度に就職した学生よりも2009−2010年度に就職した学生は、初年給の平均が10%も低いらしい。
最初の仕事を見つけるのは非常に難しく、その後のキャリアにも影響をあたえる。
しかもアメリカの学生の多くは、多額の学費の借金を負っている。。。。

米国IBMの新卒採用にかかわった人に聞いたところ、送られてくる履歴書はみな本当に成績優秀で、インターン経験も豊富、面接をすると人柄もいい。
中にはその後電話などでフォローアップがあり、いかに自分がIBMに入社したいか熱く語る人までいる。
それでもなかなか採用されない、とても厳しい、本当に気の毒だといってました。



その反面、一部のエリート大学では、まだまだ売手市場のようです。

Stopping the 'Brain Drain' of the US Economy
http://www.npr.org/2012/02/05/146434854/stopping-the-brain-drain-of-the-u-s-economy

アメリカは、日本以上に学歴主義で、効率を重んじる会社サイドは大学をしぼり、その大学で面接、リクルーティングをすることが多いです。
特に金融業界・コンサルティング業界がねらっているのは、東部のエリート大学で、記事の中ではそのひとつであるイエール大学の学生が、あるヘッジファンド会社から
$100払うからなぜインターンに参加しなかったのか話を聞かせてほしいというメールを受け取るところから始まります。

会社は、こういった調査を重ね、いかに学生にアピールできるかを学ぶ。早いうちから会社説明会をし、学生に関心をもってもらう。
その結果、2010年度ではハーバードでは49%、コーネル大学では3分の1の学生がファイナンス系、またはコンサルティング系の仕事に進んでいるようです。

これに対して問題意識を持っている人も多いようです。
いろいろ夢をもって大学に入学している学生も多いのに、在学中の4年間でいつのまにか金融やコンサルティング業界に吸い込まれていく現実。
米国のトップ人材、文系のみならず、数学やエンジニアリングなど、他の分野でも十分活躍できる人材が、バブルをおこしたウオールストリートに送り込まれていく。
はたしてそれは社会にとってよいことなのか。
はたして私たちにとってよいことなのか。

そういった問題意識をもとに、若者にもっと力を!というネットワーキンググループもあるようです。

Our Time
http://www.ourtime.org/



私の最初の就職活動は、15年近くも前のことで今とは比較にならないかもしれないけど、苦しかったしいろいろ悩みました。
日本でもアメリカでも最初の仕事が一番難しかった。
大学受験はどちらかというと単純に勝ち負けのように思えてくるけれど、就職は縁とかタイミングとか向き不向きとかの方が大事で、しかも入った会社が今後どう成長するかはだれもわからない。
(これがわかったら、会社など入らず、株式投資で生計を立てられるのだけど。。。)
うまくいかないと思っても、

Don't take it personal. Don't give up. Hang in there.
You really never know what one opportunity can lead to another.