今日も空が広い

アメリカの片田舎から思いつくままに…

政治VS教育VSジャーナリズム

橋下市長に対する賛否両論の数はすごいですね。

米国に住んでいて、インターネットでしか日本の情報に接していない私でもこれだけ見るので、日本にいたらもっとすごいのかな?それとも意外にこれはインターネット上だけで、テレビではあまり騒がれていないのかな。

私も便乗して一言。

私は橋下市長応援してます。

すべての政策について賛成しているわけではないですが、でももうなんとかしないといけない時期に来てるのではないでしょうか。大阪市民はそう思っている。

最初は府知事をやったけど、市との連携は難しくできることの限界が多すぎる。
だからえいやっと市長と知事のポジションをおさえた。
その政治的センス、チーム作りはすごいな、と思います。

ただ、最近の政治家VS学者の盛り上がりは、エンターテインメントとしては面白いかもしれませんが、長期的な戦略としては問題ではないでしょうか。。

そもそも行政、教育、ジャーナリズム、どれも「社会をよりよくしたい」という根っこのところは同じはずなのに、これほどの断絶。確かに一定の緊張感は必要だと思います。でもお互いに対する敵意むきだしは、百害あって一利なしでは。

橋下市長のツウィッターを読むと、決してすべての大学教授、学者に向けて怒っているわけではなく、特定の学者に対してですが、様々なブログを読むと、たいていの大学関係者は、大学や学者全般が批判されているとして読んでいる気がします。どんどん敵に回している。。。

橋下市長のご指摘の通り、一番問題なのは、お互いの領域に対する人材の行き来がないことではないでしょうか。だからお互いの「現場」が分からない。だからぜひ橋下市長には、今後政策や教育に関するプロジェクトを作る際、アカデミアから重要なポストにこれらを専門とする教授をチームに入れてほしいと思います。日本の大学教授の中にも、一般の人には著名ではないが、真剣に研究し実行力もあり知識やネットワークももっていて、「なんとかしたい」という熱意のある先生もいると思っています。住民にどう説明するかという観点からはメディア側の人間がいてもよいと思う。お互いの現場を理解したうえできちんと批判できる、提案できる人材を作っていく時期ではないでしょうか。

ちなみにいうと、私は橋下市長が怒っている内田先生も敬愛しています。米国に住んでいて米国的な思想に傾倒しやすい頭のカウンターバランスとして、彼のブログはかなりの数読んでいます。だから思うのですが、彼は哲学、思想の専門家であって、政策論の専門家ではない。だから政治家とは話がすりあわない、これは仕方が無いなと思います。私の理想としては、隠れ内田ファンの教育論の専門家(できれば若くて実務的な人がいい)が橋下市長チームに入るとおもしろい化学反応が出てくるのでは、と妄想しています。

政治はいつだって妥協。
だからこそ、違う考えをいかにひとつにまとめていくかの議論が大切だと思います。

特に初等教育に関しては、アメリカのように仕組みづくりが上手で、ちょっとでもいいと思えるものがあればどんどん採用するような国でも、かなりてこずっている分野で、まだまだ暗中模索という感じがします。これさえすれば1段階高いレベルの教育が提供できる、なんていうマジックワンドは無いんだよね。

Persuasion by stick
たたいて反対者の意見を封じ込める、という作戦は、復讐心をあおらせるだけ。
敵を味方にいれて強いチームを作る。

大阪市民ではないですが、期待してます。