今日も空が広い

アメリカの片田舎から思いつくままに…

アスペだったかもしれない息子クンの話

私はブログではなんとなく自分以外の話を書かないようにしてきたのですが、発達障害児をもつ親御さんのブログをいくつか読んでいるうちに、うちの「もしかしたら発達障害児だったかもしれない」息子クンについて書きたくなってきてしまいました。

 

なので、こんなケースもあるよ、として書いてみたいと思います。

 

前にも書きましたが、夫は私と結婚する前に一度離婚をしており、前妻との間に子供が二人いました。お姉ちゃんと弟クン。そしてアメリカによくある離婚家族のように、父親も共同親権をもち、子供たちは母親と父親の間を行ったり来たりしていました。で、その弟クンのお話です。

 

私が一番最初に会ったのはおそらく弟クンが小学2年生の頃。そして夫と結婚したの彼が中学2年生の頃でした。

 

そして最初に会った頃から、ちょっと変わっているな、と思っていました。

例えばこんな特徴:

 

  • 一人が好き:一人で黙々と遊ぶのが好きで、他の子供たちに混ざるのが嫌いでした。
  • でも大人は好き:大人は話を聞いてくれるからか、知らない人にも物怖じせず自分が話したいことを突然話しかけていました。
  • ジョークがわからない:だれかが冗談をいって周りが笑っても彼には何が面白いのかわからない。そのため冗談を説明するんだけど、なんか納得出来ない様子。
  • こだわりが強い:掃除機、スクールバスと地図が大好きで、一人で何時間も絵に書いたり眺めたりしました。
  • 極度の偏食:ハンバーガー&ポテト、チーズピザとトマトソースのスパゲッティーしか食べられませんでした。しかもそのトマトソースは、あるメーカーのある種類のみ。どうしても見つからなくて、他のメーカーのものを買ったら、すぐ違うとわかって一切食べませんでした。

 

小学校の先生方もおかしいと思ったのでしょう、アスペルガー症かもしれないので、診断してみれば、と勧められました。アスペルガー症を扱ったビデオなんかもつけて。

 

で、そのビデオ見たのですが、そこで取り上げられているケースはより重度なもので、確かに共通点はなくはないのですが、ちょっと違うんじゃない?みたいな感じだったんですよね。

 

結局夫も、母親である前妻も、今までどおりでいい、ということで、特に診断することなく、普通に学校に通わせていました。成績もすごくいいというわけではなかったですが、決して遅れているというわけでもなかったので。

学校側は、多少サポートをしてくれたけれども、(一人で試験を受けさせてくれたり)特に特別な支援なく対応してくれました。

 

当時、私も結婚しているわけでもないし、むやみに口出さず、父親と母親の決めたことをサポートしていこう、と思っていたのですが、若干、「でも診断してきちんと対応したほうがいいんじゃないかな」、と思ったのを覚えています。

 

でもしばらくして、「ああ、これで大丈夫かも」って思った日があったんですよね。

こんな会話を聞いて。

 

夕飯時、何かの話をしていて。ふたりともまだ小学生の時。

お姉ちゃん:You're so weird!!  (あんた変だよ!)

弟クン:I'm not weird, I'm just different!!  (変なんじゃないよ、人と違うだけ。)

 

なんか妙にはっきりと、堂々と言ったことに私は感心しました。

またこういうことを自分で言えるというのは、周りにいる大人が何度も彼に同じことを言っているからだな、と思い、そんな環境にいれば「ああ、大丈夫かも」って思ったんですよね。

 

そんな彼、今年大学を卒業しました。

 

あまり本人は言いませんが、やはり中学校高校時代は結構つらかった時もあったようです。友達も小学校時代からつきあっている一人ぐらいで、基本的に一人で過ごすことも多いし。大学の選択では、アメリカだと多くの子が家から離れ寮生活ができる大学を選ぶのですが、彼は寮生活や一人暮らしはまだしたくないとのことで、家から通える学校を選びました。

 

でも大学に入ってからは、自分の昔からのこだわりを使った専攻を選び、卒業時には成績優秀者にも選ばれました。またこの秋から大学院に行く予定で、そこでは授業料免除、生活費給付があるのですが、家から遠くはなれており、一人暮らしを始める予定です。

 

今の彼、不安はたくさんあるようですが、とてもワクワクしていて楽しそうです。

I am ready for this! って言ってました。

 

その成長ぶりに、夫も私も本当に誇らしい気持ちでいっぱいになります。

 

私にとって発達障害(かもしれない。診断していないので)の身近なケースは彼くらいで、また重度もかなりバリエーションがあるため、発達障害だと思ったらこうした方がいい、なんてとても言えない。でも、彼と暮らしてきてぼんやり思うのは、発達が他の子より遅くても、遅いだけで発達していないのではないって事な気がします。だから、発達する時間の余裕をあげるといいのかなあ、と。

 

(ひどい偏食だったことも書きましたが、これもあまり無理に直さなかったのですが、高校くらいから突然、いろいろな味に目覚めたんですよね。少しづつ自分から試し始めた。試してみたら、美味しいと思えるものがどんどん増えていって今ではなんでも食べられる。いや、食べられるどころか、なんか新しい味を試したくてしょうがない、という感じ。当然日本食も何でも大好きです。(まあ、もちろん納豆とか食べてみたけど、あまりおいしいと思えないものも存在しますが。))

 

ほんと、子育ての肝って、障害あるなしかかわらず、焦らない、時間をかけて見守る、ってことな気がします。

 

。。。いや、本当これが一番むずかしいのですが。。。

(うちのもう一人の息子くん(今7歳)を見て、ついつい、これくらいできるんじゃないか、とか思ってしまう、ダメ母です。。。)